日本では農業従事者の高齢化が進んでおり、近いうちに農家が激減する大量離農が起こる
と言われています。こうなると、放棄された農地を少ない労力で効率的に利用し、小さい
労力でできるだけ多くの作物を栽培することが求められてきます。また、現在の日本の農
業は、小さい農家が経験により良質な作物を育てているため、これらのノウハウをうまく
継承し、効率的な農業栽培に生かす方法も求められています。農業IoTは、田んぼや畑に
センサを設置して遠隔監視し、栽培に必要な作業を最小限に抑えた効率的な農業を目指し
ています。
当研究室では、和歌山県内の農業試験場等と連携して、センサデータを分析することに
より、効率的な栽培方法を確立する研究を行っています。畑には、気温、湿度、日照量、
CO2濃度、土壌水分量、土中温度等を測定できるセンサを設置し、無線ネットワークを介
してデータを集約します。ビデオカメラや目視によって栽培植物の生育状況を観察・測定
し、記録しておきます。これらのデータから、成長が良く、高い品質の農作物を得るため
の栽培条件をデータ分析することで、生産性の高い栽培方法の確立を目指します。